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さらさら

日々気づいたことや、誰ともなしに伝えたいことを溜めておく場所です。

ツバメのお話。

新しい街に越して来て、
新しい街で働き始めて、
今まで住んでいたのどかな田舎とそこにあった大好きな人たちとの日々が恋しくなって、
働き始めの四月は相当センチメンタルになっていました。


霞の向こうに 新宿が見える
ツバメは上手く ビルを縫って行く
今年もゆっくりと春が訪れる

サークルで後輩のバンドがカバーしていた、山崎まさよしの「ツバメ」。
当時の自分の心境にぴったりだったから、毎日、駅からの帰り道にこれを口ずさんでいた矢先、
偶然にも、ツバメさんがアパートの入り口に巣を作ったんです。

日に日に大きくなっていく巣と、仲良しなつがいのツバメ二羽。
新しい街にはひとりぼっちだったから、突然出来た同居人が嬉しくて、彼らに「つーちゃん」と名付けて、毎日会うたびに挨拶してた。雛はまだかなぁ、って思いながら。


ツバメの巣の下は糞が大量に投下されることになる。
ツバメの巣はアパート入り口に一番近い部屋のドアの真上に位置していたから、その部屋のドアの目の前は糞だらけになってた。

ある日、仕事から帰ったらツバメの巣がなくなっていた。ドアの前の糞も綺麗さっぱりなくなっていた。


きっと、部屋の住人が撤去したのだ。
一階のその部屋はなにかの事務所で、表に入り口がもう一つあったのでそのドアは裏口だったと思うのだけど、私は突然同居人を失って悲しくなってしまった。

ショックだった。なんてひどい事を。

つーちゃんたちは、巣のあった付近に途方に暮れた様子でとまっていた。
雛はどうしたんだろう…



朝と夜、跡形の無い巣を見る度に悲しくなってしまう日々が続いた。
ああ、やっぱり理不尽なものには勝てないのか、ツバメも人間も。

だけどそのうち忙しい日々が続いて、つーちゃんのことはだんだん忘れていった。なぜかアパートの廊下の電気がつかなくなって、明るいうちに帰れるわけもないので、巣を見ることもなくなった。


そんなある日、久々に半休で昼間に家に帰ったら。

なんと、また巣が出来ているじゃないか!

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それを見たときの、嬉しかったこと。

つーちゃんが帰って来た!!って喜んで、恋人に連絡してしまうほど。
一度全部壊されたのに、諦めずもう一度同じところに巣を作る彼らのひたむきさ。


私も、壊れようが壊されようが、自分の巣を守れる強さがほしいな。



夏前に途中まで書いてそのままになってたから、更新。
つーちゃんその後雛たちが元気に飛んでるところを目撃しました。

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なんと、私の部屋の窓まで飛んで会いに来てくれたんだよ!
よーく見ると、雛の産毛がまだ残ってる。


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この、雛たちが大きく育った写真を撮った次の日、巣は再び撤去されていました。今度はきっと、みんな家族でどこかへ飛んでいったことでしょう。

巣のあったところには巣よけが設置されていて、もうこの場所につーちゃんが巣をつくることはきっとないし、来年の春に私がこの場所に住んでいるかどうかもわからないけど、またつーちゃんたちに会いたいなぁ。

壊れても、壊されても、何度でも這い上がってみるよ、私も。