おばあちゃんの絵手紙
前回の記事で、初めて日本画を描いてみた時のことを書きました。
これは、実家の片付けをしていたら今は認知症で寝たきりの祖母の日本画セットが大量に出てきたから、興味本位で描いてみたものです。でも日本画を描いてみることによって、はからずも祖母のことを知り、想いを馳せるきっかけになりました。
今回は、日本画セットと一緒に出てきた、祖母の描いた絵手紙を紹介しようと思います。
これは、私が一番好きだなと思った絵。
たぶん、祖母本人だと思います。病院で実物を見せたら反応していたから、描いたことを覚えていたみたい。
表情が好きです。とっても幸せそうな祖母の顔。弱気で自分の意志をあまり言わない人だったけど、これを描いた時の祖母は、きっと幸せを感じていたんだろうな。おそらく、まだおじいちゃんも生きていた頃。
お地蔵さんかな?このお地蔵さんの顔、とても祖母の表情によく似ています。いつも少しだけ笑ってた。
これはたぶん、お内裏様とお雛様。
本来は二人並んで澄まし顔のはずなのに、この絵では寄り添っていて情熱的に見える。
これはなんとなく、祖父と祖母を投影しているように見えます。おばあちゃん、入院しても結婚指輪をしてた。病院を移った時に指輪を外さなければいけなくなって、外してからだいぶ経った今でも指輪の痕がはっきり薬指に残っています。
普段ほとんど表に出さなかったように思えた、二人の愛を感じる一枚。
なんだろう。神様かな?私には、天照大御神に見える。そして隣に鳥。なにを描いたかわからないけど、この絵もとても好き。
お墓の掃除をするおばあさんの絵。おばあちゃんのお母さん、つまり私のひいおばあさんかな?と思いました。ひいおばあさんには会ったことがないから、わからないけど。
子どもと鯉のぼり。
一瞬私の弟かなと思ったけど、着物を着ているあたりから、おじさんか従兄弟だろうなぁと感じました。母性を感じる。
電車のスケッチかな?
珍しく、ちゃんと祖母の名前で朱印が押してあります。
こんなところ。他にも花の絵など色々あったけれど、やっぱり表情が出る人の絵が気に入りました。
こんなかわいいフグの絵もあったり。
絵はその人自身やその時の心をうつすというけど、本当にそうだなぁと感じました。
もっと精巧な日本画も描いていたのだけど、こういうラフな絵手紙も日記のように気軽に描けていいなぁ。私も日記代わりに絵でも描こうかな、なんて思いました。
おばあちゃんのこと、少しでも知ることが出来て良かった。