さらさら

日々気づいたことや、誰ともなしに伝えたいことを溜めておく場所です。

作品の「雰囲気」をつくる

カメラを始めて一番変わったのは、ものの見方が少し変わったことです。変わったというか、今まで気づけなかったことに気づけたって感じかな?

 

特に見方の変わった、映画を例にあげてみます。

 

三宅喜重監督の映画「阪急電車」。

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戸田恵梨香ちゃんかわいいな…有村架純ちゃんと芦田愛菜ちゃんもさいかわです。必見!!

この映画は、ずっとこんな風にアンティークというか、黄色の色味が強く出ています。次に赤い色味かな?総じて橙色って感じです。なので、全編を通して「あったかい」空気が流れています。彩度があまり高くない(=あまり鮮やかでない)のと、コントラストが高くないのもレトロで優しい味を出しています。

色や空間の作り方通り、心温まる人間味あふれたとっても素敵な作品です。阪急電車に乗ってみたくなってしまいました笑

 

同じように黄色い色味の作品、「黄色いゾウ」

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あおいちゃんの濡れ場が話題になった映画…

これを観た時はカメラを始める前だったので詳しくは覚えていないのですが、タイトル通り画面がずっと黄色がかっていた印象がとても強いです。特にお月様の出てくるシーン(2枚目)は、これでもか!ってくらい黄色いですよね。これは阪急電車が黄色+赤の色味が強いのに対して、黄色がすごく強い+やや緑…という感じかな?

あと、彩度がとても高くてコントラストも強いですよね。主人公のツマちゃんの、強烈で純粋ゆえに鋭利な印象と通じているように思います。

 

 

これに対して、「そして父になる」

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子どもの取り違えがあったことが6年後に発覚して、両家族はどうするか…というお話です。非常に考えさせられました。

この映画は、さっき紹介した2つとは真逆で青い色味が強い作品です。ヘビーな題材というのもあってか、ちょっと悲しい、暗い感じが作品全体を通して流れてます。コントラストも強いから、儚げというよりは暗いイメージです。彩度はどうだったろう…(意識して観ていなかった汗)

 

 

こんな風に、同じ邦画でも色味・コントラスト・彩度を変えることで、こんなに違った印象になるんですねー。自分で実際にカメラで色味を調整するようになって初めて、この違いに目が向くようになりました。映画も写真もこういうところを繊細に自分のイメージと近づけながら、作り手らしさを出しているんですね。

 

 

最後に私の好きなフォトグラファーを紹介します。

Oleg Opriscoさん

oprisco photography - portfolio

 

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このなぜか寂しさを覚える不思議な世界観、アイディア、もうほんとにアート!!って感じがして大好きなんです。曇天を思わせるような印象。

彩度もコントラストも低めで、鈍い色味の中にほんのり鮮やかな差し色が光ってます。こんな風に撮れるようになったら素敵だなぁ…

 

ちなみに昔(学生時代)は、みなさんご存知蜷川実花さんが好きでした。

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もう、とにかく鮮やかで鮮烈ですよね。限界まで彩度あげました!!って感じ。一発で蜷川さんの作品だなってわかります。

最近は好みが変わったのかそこまでチェックしなくなりましたが、この人のつくる世界観も面白いですよね。Olegさんとは対照的です。対照的だけどどちらも惹き込まれる魅力がある。この魅力を個性っていうんでしょーか。

 

やっぱりアーティストは自分らしいテイストを持っているべきなのかなと思う一方で、色々な印象の写真を撮りたい・イラストを描きたいという思いもあります(だから作風が定まらないんですね、笑)。でも、知らず知らずのうちに自分らしさっていうのは作品に滲み出てくるものなのかな。

私も色々な写真を撮って、絵を描いて、自分らしい作品ってどんなんだろう?って考えていこうと思います。